クリス・エヴァンスさんが主演した映画「パンクチュア」は、巨大な医療企業体に戦いを挑んだ若い弁護士のストーリーです。
注射針が刺さり大怪我をしたり、エイズなどに感染してしまう看護師がたくさんいる医療現場・・・しかし、安全機能が付いた注射器が病院でなぜか採用されない。
そこには、莫大な利益のために安く作れる旧式の注射器を納入している巨大な医療メーカーの独占と陰謀がありました。
ここから小さな弁護士事務所(二人)とエリート弁護士集団を要する医療企業体の戦いが始まります。
問題を抱えながらも真実に迫る弁護士を演じるのは、アベンジャーズやキャプテンアメリカでも知られるクリス・エヴァンスさんです。
映画の中では、彼はZIPPOライターを度々使っています。
パンクチュア予告動画↓
パンクチュア予告動(日本語版)↓
日本では「合衆国の陰謀」という映画の本筋とはちょっと違う副題が付いています。
合衆国の陰謀というくらいなら、大統領、ホワイトハウス、CIA、FBI、国防省や軍隊などが絡んでくる大規模でスリリングな展開をイメージしてしまうでしょう。
アメリカ映画の邦題ではよくあることなので、こういったことにいちいち突っ込んでいるとキリがありませんが、せっかく良い内容の映画なのに、騙すような邦題を付けて興味を引こうという方法は、視聴者の評価を下げてしまうと思わずにはいられません。
アメリカのDVDのパッケージでは、注射器を持った若い弁護士が描かれています。ぱっとしないかもしれませんが、苦悩する弁護士が描かれて映画の内容と合致するものでしょう。
ところが、日本のDVDパッケージではアメリカ合衆国議会議事堂をはじめ、高層ビルや夜の街の画像を織り交ぜていて、アクション&サスペンス的な演出のし過ぎ感が否めません。こういったパッケージの方が、お店で目に付きやすいことはあるでしょうけど。
日本版の予告から法廷でのスリリングな弁護士同士の戦いを期待していましたが、映画のストーリーでは法廷でのシーンは余りありませんでした(ちょっとネタバレでごめんなさい)。
アメリカで好まれる法廷ドラマというより、ドラッグや個人的な問題を抱えた弁護士が、真実だけは譲れないと奮闘する様子が印象的でした。
低予算のインディーズ系映画で、興行もそれほどよかったわけではないようですが、実話をベースにしていて価値のある映画だったと思います。
莫大な資金と権力を有する企業体に立ち向かっていくストーリーは過去にも色々あり、訴訟大国アメリカならではの醍醐味がありました。
この映画を観た後、マット・デイモンさんが主演したレインメーカーやジュリア・ロバーツさんが主演したエリン・ブロコビッチをまた観たいなと思いました。
真実を追求する&巨大な業界に立ち向かっていくという映画では、Cowspiracyも非常に興味深かったです。
自然を守る活動家としても有名な俳優レオナルド・デカプリオさんが、エグゼクティブ・プロヂューサーとして参加しています。
畜産業界などの圧力が強すぎてスポンサーが降りてしまったためか、今のところ、主サイトからのダウンロード版とNetflexくらいしかみれないようです(2015年9月現在)。
ドキュメンタリーなので興味深い統計がたくさん出てきますが、アメリカの畜産業と環境破壊に関連した数字が色々でてきます。統計の正確さなどは様々なところで議論されていますが、とても考えさせられるドキュメンタリーでした。