2007年、ZIPPO社の新しいタイプのライターZIPPO BLUが登場しました。ZIPPOオイルライターの特徴を引き継ぎ、ガスライターの利便性を取り入れたZIPPO社製のガスライターです。
ZIPPOといえば、オイルライターの代名詞ですが、歴史の変革の中で、ガスライターの開発も行ってきました。マルチ・パーパスライターというステック型の多目的ガスライターがその一例です。
ZIPPO BLUは、ZIPPOオイルライターと同様に小型で携帯できるポケット・ガスライターとして登場しました。
ガスライターとオイルライターでは大きく異なる点がありますが、それでもZIPPO社製ですから、今までZIPPOライターを継承する特徴がある「BLU」となりました。
こちらのページではその特徴やメインテナンス、ご使用上の注意事項などに関してご案内いたします。
ZIPPO BLUの使い方
ZIPPO BLUは、フリントウィールを回して、発火石から火花を散らせて着火するフリント・ウィール・イグニッションを採用しています。
燃料はガスなのですが、ZIPPOオイルライターの特徴でもある着火アクションがここに継承されています。
フリントウィール(円形部分)を親指で下へ押すとガスが出て、シューというガスの噴出音がします。1秒ほど押さえた後で、フリントウィールを勢いよく回転させると火花が散って着火します。
そのままフリントウィールから親指をスライドさせる形で、ガス・リリース・ボタン(四角い黒い部分)を押さえてください。
火を消す際には、ボタンを押すのを止めてください。10秒以上着火したままにしますと、暫く着火しにくくなりますのでご注意ください。
予め調節された高さで炎が安定するようになっていますが、着火直後は炎が大きくなることがあります。着火の時は、顔や体から離してください。
何度も連続して着火するとオーバーヒート状態になり着火しにくくなります。暫く時間をおいてからご使用ください。
オイルライターと異なり、横向きにしても炎はまっすぐに出てきますので、ライターを自分自身や人に向けて着火しないでください。
ガスの炎は日中は見えにくいことがありますので十分注意してください。
★新品のZIPPO BLUにはガスが入っていないため、お買い上げいただいた状態では火はつきません。別途、ライター用ガスをお買い求めください。ライター用ガスは、一般にコンビニやホームセンターなどで販売されております。ハイグレードや高純度のライター用ガスをご利用ください。
ガス注入方法
ガスの注入方法は、ライター本体を逆さにして、写真のようにガスボンベの先端をライター底にある注入口に垂直に合わせ、押し込んでください(ライター用ガスの使用説明書も重ねてご参照ください)。
ZIPPOオイルライターと違って、インサイドケースを取り出す必要はありません(インサイドケースは取り外せないようになっていますので無理に引っ張り出そうとしないでください)。
注入する際には、2~3秒ずつ確認しながら入れてみてください。
ガスの量は、側面にある細いゲージから確認できます。最初に満タンしたときは、ゲージで見ても入っているのか入っていないのか分かりにくいのですが、使っていくうちに量が減ってくることを確認できます。
無理に満タンにしようとすると、入りきらないガスが周囲にもれて危険です。オイルと違って見えない分、更なるご注意をお願い致します。
注入後は2~3分経ってからご使用ください。
ガスの残量が少なくなると着火しにくくなります。ゲージを見て、記された番号より下にガス量が表示されている場合は、ガスを充填してください。
※ライターを逆さにしないで注入すると空気が入ることがあり、着火しにくくなります。空気を抜くためには、ライターを逆さにして、充填部分を小さなマイナスドライバーなど尖ったもので押さえてガスをすべて抜き出してください(火事にならないよう、周りの環境には十分ご注意ください)。
※火気の付近、火気を使用している部屋ではガスの注入は行わないでください。特に寒いシーズンには、暖房器具を使用した場所では十分ご注意ください。
フリント交換方法
ZIPPO BLUでは、お客様自身で交換できるパーツはフリント(発火石)しかありません。
ZIPPOオイルライターのようにウィック(導線)や綿などはありませんので交換の必要がないのです。
フリントの交換は簡単にできるようになっています。まず、フリントウィールをつまんで上に引き抜いてください。これでフリント/ウィール・ユニットが取り外せます。
フリント/ウィール・ユニットを取り外したら、底の部分をマイナスドライバーなどで回して中にあるバネとフリントを取り出してください。
新しいフリントに交換して、ユニットを元あった場所に戻せば完了です。
※火花の散り具合が良くない場合は、ネジを締めたり緩めたりして調節してください。
ボトムの刻印は継承されています
ZIPPO BLUでも、ボトムの刻印がしっかり刻まれています。コレクションの楽しみの一つでもありますので、この点は嬉しいですね。
保証は従来と同様ですが、気をつける点があります
ライフタイム・ギャランティーの方針は、ZIPPO BLUについても他のZIPPOライターと同様です。何年使っても、故障した場合は、ZIPPO社で無料で修理してくれます。
ライターの特性上、分解したり、誤った使い方をされた場合は、保証が受けられないことがございますのでご注意ください。
★インサイドケースについて:
ZIPPO BLUは、オイルライターのようにインサイドケース(ライターの中身)を取り出して、ウィックや綿を入れ替えたり、オイルを注入したりする必要がありません。
フリント交換は、ライター上部から簡単に取り外せるようになっているので、インサイドケースを取り出す必要はありません。
ZIPPO BLUのインサイドケースと本体は固定ねじで留められていますが、このねじは修理センターで取り外されるものです。
ご利用者様がこのねじを取り外して、内部を修理したり調節しようとした場合は、永久保証が受けられなくなりますのでご注意ください。
★ガスについて:
ZIPPO社のライター用ガスがベストですが、日本ではZIPPO社製のガスがアメリカほど流通しておりません。このため、ハイグレードや高純度のライター用ガスであれば代用が可能です。
ライター用ガスは、一般にコンビニやホームセンターなどで販売されております。
粗悪なライター用ガスの使用は故障の原因となります。また、用途の異なるガスを注入した場合は、保証対象外になりますのでご注意ください。
ご利用の注意事項
・ライターを使う際には、顔、体、衣服から離して利用してください。
・10秒以上着火した状態にしないでください。安全機能が働いて暫く着火しにくくなります。
・使用後は、ガス・リリース・ボタンが元の位置に戻っていることを確認してふたを閉めてください。
・温度が49度以上になる場所、直射日光にあたる場所に放置しないてください。特に暖房器具の周辺に置いたり、車内に放置されることは避けてください。
・火の中に入れないでください。
・子供の手の届かない場所で管理保管してください。
ZIPPO BLUのお手入れ方法
基本的に、ZIPPOオイルライターよりお手入れは簡単です。
ガスライターのお手入れは、カーボンやススが着火バーナーの周りにつきますので、それを取り除いてください。
まず、ふたを閉めた状態でライターを逆さまにします。テーブルなどの上でライターの頭の部分をトントンと軽くたたいてください。
下向きのままでライターのふたを開けると内側にススのようなものが落ちていると思いますので、それを取り除いてください。
エアーダスト(スプレーでホコリなどを飛ばすもの)やクリーニング液などは使わないようにしてください。また、中身を取り出して分解掃除などをしないようにしてください。
ガス再注入でトラブル回避
ジッポー・ブルー(ZIPPO BLU)では、初めてのガス注入後、着火具合がよくないことがあります。
その際は、一旦、ガスをすべて排出させて、もう一度ガスを入れなおしてください。多くのケースで着火不具合が改善されます。
ガスには規定の入れ方があります(上記にてご案内)。誤った入れ方の場合は着火具合が悪くなりますのでご注意ください。
個人的な感想(ご参考程度に)
ZIPPO BLUを使ってみた感想をご参考までに掲載いたします。
実物を使ってみるまでは、ZIPPOがガスライター?これをZIPPOライターと呼べるのだろうか?と懐疑的な思いでした。しかし、少し使ってみると、多少不便なところがあるけれど、結構面白いかなというのが率直な感想でした。
ZIPPOオイルライターに慣れた方には、ギャップを感じることは否めないと思います。ただ、ZIPPOの新しい世界への挑戦と思うと、これからどうなるのか楽しみでもあります。
未来を舞台にした映画では、今使っているものが進化していることがあります。例えば、車がものすごく流線型でどこに人が入るのというスタイルになっていたり、腕時計の形や機能が今とは全然違ったり。。。
このBLUも近未来の形の一つかもしれないと空想してみるとちょっと面白いですね。
ちなみにチムニー(防風パーツ)の穴は、ZIPPOの「Z」を模っています。お気づきになりました?
実際の使用感ですが、ワンクリックでフタが開閉できる点は、ZIPPOオイルライターの利便性を継承したもので使いやすいです。
ふたの開閉音は、ベースになっている素材にもよりますが、ZIPPOオイルライターの方が個人的には好みです。
全体的な形状に関しては、見た目はちょっと楕円ぽい形をしていて、ZIPPOオイルライターとは少し異なります。
使用している金属や表面加工は、ZIPPOオイルライターと同じ、または似ているものなので違和感はそれほどありません。
当初は、オイルライターと同じ形状(箱型)でガスライターを作ればいいのにと思ったのですが、違いを出したかったのかなという感じです。
少なくともZIPPOオイルライターと同じサイズに収めるのは、パーツが多い分、現時点では難しいのかもしれません。
サイズを比べると横幅は同じくらいですが、BLUの方が1cmほど背が高く、2mmほど厚みがあります。
重さは、定番のZIPPO(No.200)が約55グラムで、BLU(No.30001)は75グラムです。
素材や装飾により多少異なってきますが、このベーシックな二種類で比べるとは20グラムほどBLUの方が重いです。
オイルライターと同様に、発火石で火花をちらして着火するという、フリント・ウィール・イグニッションを採用していて、ZIPPO社としてもそこがこだわりのようです。
確かに、フリント・ウィール・イグニッションがなかったらZIPPOという感じはしなかったかもしれません。ただ、ガスライターにオイルライターの着火システムの組み合わせたことは、必ずしもうまくいっていないところがあるようです。
着火の際に回すフリントウィールは、ちょっと重い感じがします。着火の際に押さえるガス・リリースボタンもそこそこ重いので、女性の方にはちょっと利用しづらいかもしれません。
火力は安定して力強いですし、ブルーという名前の通り、青い炎はきれいです。臭いのない点は好まれる方がいらっしゃるでしょう。
ZIPPOライターといえばオイルライターというのは、当分変わることは無いでしょうが、ZIPPO BLUといった新しいカテゴリーへのZIPPO社の挑戦を見守っていきたいと思います。
※ZIPPO BLUは、複雑な構造上、連続使用の際には自動的に安全機能が働き着火しにくくなることがあります。頻繁にライターを使う方や着火アクションを楽しみたいという方には、ZIPPOオイルライターをお勧めします。
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